切削加工と3Dプリンターは、どちらも立体物を製作する代表的な方法ですが、加工の仕組みや得意分野には大きな違いがあります。
高精度な金属部品の製造に適した切削加工に対し、3Dプリンターは形状の自由度が高く、試作や少量生産に向いた製造方法として注目されています。
本記事では、切削加工と3Dプリンターの違いを徹底比較し、それぞれの特徴や向いている用途を解説します。
また、3Dプリンターならではの強みについても具体例を交えて紹介しますので、加工方法の選定にお役立てください。
切削加工と3Dプリンターの違いを徹底比較

3Dプリンターと切削加工は、どちらも立体物を製作する技術ですが、加工方法や得意分野が大きく異なります。
3Dプリンターは、3Dデータをもとに材料を一層ずつ積み重ねて形状を作る積層造形(加法製造)の技術です。
一方で切削加工は、ブロック状の材料を工具で削り出して形状を整える除去加工(減法製造)に分類されます。
次の表では、3Dプリンターと切削加工の違いを分かりやすくまとめているので参考にしてください。
| 比較項目 | 3Dプリンター | 切削加工 |
|---|---|---|
| 加工原理 | 材料を一層ずつ積み重ねて立体物を造形する(積層造形) | 材料ブロックを工具で削って形状を作る(除去加工) |
| 形状自由度 | 内部構造や複雑形状も造形しやすい | 工具が届かない形状は加工が難しい |
| 加工精度 | 機種や方式により異なるが一般的に±0.05〜0.2mm程度 | ±0.01mm以下の高精度加工が可能 |
| 対応材料 | 樹脂が中心。金属・ゴム系なども対応機種あり | 金属・樹脂など幅広い材料に対応 |
| 試作スピード | 3Dデータから直接造形でき短期間で試作品が完成 | CAM設定や段取りが必要で時間がかかる |
| 少量生産コスト | 型や治具が不要で低コストになりやすい | 段取り費用が発生し割高になりやすい |
| 材料ロス | 必要な分だけ使用するためロスが少ない | 削りかすが発生するため材料ロスが多い |
| 設計変更 | データ修正のみで再造形できる | プログラムや工程の再設定が必要 |
| 向いている用途 | ・試作 ・治具 ・少量生産 ・複雑形状部品 |
・量産部品 ・高精度部品 ・高強度部品 |
切削加工は、高精度で強度の高い部品を作れる強みがありますが、複雑な形状のものだと加工工程が増え、コストや製作期間が伸びるデメリットがあります。
しかし、3Dプリンターは設計データ(3Dデータ)を元に直接造形できるため、試作や小ロット生産に向いています。
さらに、造形物の形状の自由度も高く、切削加工では難しい複雑な構造にも対応可能です。
3Dプリンターでは、主にフィギュア・トロフィー・ジュエリー・治具・研究用品・ノベルティなどの製作がおすすめです。
特に近年は高性能な3Dプリンターが増えているため、精度や材料の選択肢も増加傾向にあります。

また、当社株式会社メルタのように3Dプリンターを使ったフィギュアの試作・量産に対応している企業もあるので、1点モノの大型製品の造形や小ロットから大ロット製品の量産を依頼する場合はお気軽にご相談ください。
3Dプリンターにしかできないこと6選
製造方法には「切削加工」や「3Dプリンターによる積層造形」などさまざまな選択肢がありますが、その中でも3Dプリンターにしかできないことは何があるのでしょうか。
下記で、3Dプリンターにしかできないことをまとめました。
2.軽量化設計と迅速な設計変更
3.試作品を素早く製作できる
4.複数部品の一体造形が可能
5.柔軟性のある材料にも対応
6.中空構造や複雑な内部形状の造形ができる
ここでは、従来の加工方法では実現が難しい、3Dプリンターならではの活用例を6つ紹介します。用途や目的に応じてどのような強みがあるのかを確認してみましょう。
1.オリジナル製品の量産が可能
金型を用いた製造は量産に向いていますが、初期費用が高額になるため少量生産ではコスト面で不利になります。
しかし、3Dプリンターの場合は金型を必要とせず、必要な数量だけを個別に造形できるため、小ロットから量産まで幅広く造形できる対応力があります。
3Dプリンターは新しいアイデアを試作品としてすぐに形にしたい場合や、顧客の要望に合わせたカスタム製品を作る場面でも活用できる技術です。
また、在庫を抱える必要がない受注生産が可能なため、オリジナル商品を取り扱う小規模ビジネスにも適した製造手法と言えます。
2.軽量化設計と迅速な設計変更
3Dプリンターによる造形では、内部の充填率を調整することで、強度を保ちながら重量を抑える設計が可能です。ラティス構造などを活用すれば、性能と軽量性の両方を担保できます。
ラティス構造とは・・・ジャングルジムのように複雑に入り組んだ格子状のデザインで、素材の強度を保ちながら大幅な軽量化が可能な構造を指します。
さらに、設計データを修正することで即座に再出力ができる大きなメリットも持ち合わせています。
3.試作品を素早く製作できる
従来の試作では、金型の製作や専用機械による加工が必要になるため、開発に多くの時間とコストが掛かっていました。
一方、3Dプリンターによる造形では、設計データをもとに立体物を直接造形するため、短期間で試作品を用意できるメリットがあります。
試作品を素早く製作することで、実際に手に取りながらサイズ感や質感を確かめられるので、正確な改善点を把握しやすくなります。
例えば、握った時の感触や組み立てやすさ、部品同士のはまり具合など、図面や画面上の確認だけでは見落としがちなポイントでも改善できるようになります。
実物を用いた実証実験が可能な3Dプリンター造形では、細部まで調整を重ねられるので、完成度の高い製品へ仕上げやすくなります。
4.複数部品の一体造形が可能
本来、複数パーツを組み合わせる必要がある構造でも、3Dプリンターなら一体出力が可能です。
ヒンジや可動部を含む構造も組み立て不要の状態で製作できるため、部品点数が減り、組み立て工数の削減にも繋がります。
試作段階では、完成直後にその場で動作確認が可能なことから、開発スピード向上にも貢献しています。
5.柔軟性のある材料にも対応
3Dプリンターでは、熱可塑性エラストマー(TPE)系素材などの柔軟な材料も使用できます。
代表的な素材としてはTPUやPolyFlexなどがあり、ゴムのように曲がる特性を活かして、カバーやクッション部品、パッキンなどの弾性部品を造形できます。
柔らかい素材は切削加工では形状維持や精度確保が難しい反面、3Dプリンターであれば材料特性を活かした設計が実現できます。
6.中空構造や複雑な内部形状の造形ができる
切削加工では、工具が内部まで届かない形状は基本的に加工が不可能です。仮に加工できたとしても、工数や掛かるコストが増加する傾向にあります。
しかし、3Dプリンターでは、内部が空洞になった中空構造や内部に別の構造を持つ複雑な形を製作できます。
さらに、支えがないと成形が難しい「オーバーハング形状」にも対応可能です。
オーバーハングとは・・・3Dプリンターにおける造形物の一部に支えがなく、空中に浮いている状態を指します。
3Dプリンターを使った造形では、内側から外側へと制限なく形を作れるため、構造設計の幅が広がるメリットがあります。
3Dプリント出力なら1000社・2000案件以上の実績を持つ『3Dayプリンター』へご相談

3Dayプリンターは、東京都墨田区両国に3Dプリント工場を構える株式会社メルタが提供する3Dプリントの受託サービスです。「3Dが、3日で目の前に!」をキャッチフレーズに、スピーディーな対応と高い技術力を兼ね備えています。
3Dデータの設計からプリント、塗装や研磨といった後工程、さらには小ロットの試作まで、すべてワンストップで対応できます。
| 対応内容 | 3Dデータ→3Dプリント→塗装(後処理)など全てを提案できる幅広さ |
|---|---|
| 3Dデータ制作 | 対応可能 |
| 価格帯 | 低価格 |
| 納期傾向 | 短納期 |
| 向いている人 | ・3Dデータをすでに持っている人 ・3Dデータを持っていない人 ・ものづくりに詳しくない方 |
| 注意点 | データ品質が完成度に直結 |
対応素材はABS樹脂や金属、シリコンなど18種類以上に及び、試作品から実用品まで幅広いニーズに応じた高精度な出力が可能です。
これまでにソニー、NTT西日本、早稲田大学など多数の企業や教育機関への納品実績があり、法人・研究機関から個人のクリエイターまで幅広いユーザーに利用されています。
課題や目的に合わせた導入支援や最適な活用方法のご提案も行っておりますので、3Dプリントをご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。

さらに、3Dayプリンターを運営する株式会社メルタでは、試作から量産まで一気通貫で支援が可能です。
こちらのサイトより、価格・納期の目安から製作の流れなど詳細が確認できますので、量産が初めての方でも安心してお任せいただけます。
「人間くらいの大きなサイズの立体フィギュアを作成したい!」「3Dスキャンから人物・建物模型を作りたい!」「イベント・キャンペーンのグッズやノベルティを製作したい」方などは、まずは株式会社メルタまでご相談ください。
まとめ
切削加工と3Dプリンターは、それぞれ異なる特徴を持つ製造方法です。
切削加工は高精度かつ強度の高い部品製作に適していますが、複雑な形状では工程が増えやすく、コストや納期が長くなる場合があります。
一方、3Dプリンターは設計データをもとに直接造形できるため、試作や小ロット生産に向いています。
形状の自由度が高く、切削加工では難しい複雑な内部構造や一体造形にも対応できる点が大きな特徴です。
また、設計データがあれば短期間で出力できるため、開発スピードを重視する場面にも適しています。
柔軟な素材への対応や軽量構造の設計など、自由度の高いものづくりを実現したい場合は3Dプリンターが有力な選択肢になります。
3Dプリントを依頼するなら、1000社以上・2000案件以上の実績を持つ「3Dayプリンター」がおすすめです。
同サービスは試作から量産まで対応しており、3Dデータがあれば短納期で出力できるため、初めて3Dプリント出力サービスを利用する場合でも安心して相談できます。
ものづくりの際には、切削加工と3Dプリンターの特徴を理解し、用途や目的に応じて最適な加工方法を選ぶことが重要です。特に形状の自由度や試作スピードを重視する場合は、3Dプリンターの活用をおすすめします。


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