3Dプリンターを社内導入するデメリットや注意点!メリットも紹介

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3Dプリンターは試作や製品開発を効率化できる技術として注目されていますが、導入すれば必ず成果が出るわけではありません。

用途や体制を誤ると、期待していた効果を得られず、かえってコストや手間が増えるケースもあります。

特に社内導入を検討する際は、メリットだけでなく3Dプリンターのデメリットや注意点を正しく理解することが欠かせません。

本記事では、3Dプリンター導入前に把握しておくべき課題やリスクを整理し、後悔しない判断につながる情報を解説します。

また、3Dプリンターの造形方式別のメリット・デメリットも詳しく解説しているので、参考にしてください。

3Dプリンターを社内導入するデメリットや注意点

3Dプリンターの導入を検討する際は、魅力だけでなく運用時に発生するリスクも把握することが重要です。

適した環境や用途を見極めない場合、期待していた成果が得られない可能性があります。

デメリット・注意点
デメリット①3Dプリンターを1台購入しても様々な素材を使えない
デメリット②大量生産には不向き
デメリット③想定した品質が得られないことがある
デメリット④運用コストが予想以上に膨らむ
デメリット⑤造形環境の整備が必要
デメリット⑥オペレーション習熟が不可欠

そこで以下では、代表的なデメリットと注意点を解説します。

デメリット①3Dプリンターを1台購入しても様々な素材を使えない

デメリットとして、3Dプリンターは導入する造形方式や機種ごとに対応素材が大きく異なる点が挙げられます。

そのため、1台を社内に導入したとしても、樹脂や金属、柔軟素材など幅広い材料を自由に使えるわけではありません。

例えばFDM方式ではPLAやABSが中心となり、SLA方式や金属3Dプリンターで使用できる素材とは明確な違いがあります。

業務内容の変化や試作要件の拡大に伴い別素材が必要になった場合、追加で設備投資が発生する可能性もあります。

一方で、この制約は外部の3Dプリントサービスを活用する理由にもなります。

社内では特定用途に特化した機種を運用し、特殊素材や高精度造形は外注することで、コストと柔軟性のバランスを取りやすくなります。

社内導入を検討する際は、将来的に必要となる素材や造形条件を整理した上で、内製と外注をどう使い分けるかを事前に検討することが重要です。

デメリット②大量生産には不向き

3Dプリンターは造形物を一層ずつ積み重ねる方式のため、出力スピードに限界があります。

20cm程度のモデルでも十数時間かかる機種があり、大量生産を前提とした運用には適していません。

短時間で多数の製品を作る場合は、射出成形や切削加工の方が効率的で、3Dプリントは少量生産や試作向けの技術として活用されるケースが多くなります。

デメリット③想定した品質が得られないことがある

FDMをはじめ積層型の造形方式では、層間の結合が弱点になりやすく、強度や耐久性が要求値を満たさない場合があります。

試作段階であれば許容されることもありますが、最終製品とする場合は材料特性や造形精度を慎重に評価する必要があります。

高性能素材や高精度プリンターの普及が進んでいるものの、従来工法の安定性には及ばない場面も残っています。

デメリット④運用コストが予想以上に膨らむ

本体価格だけでなく、フィラメント・レジン・金属粉末などの材料費、ノズルやプラットフォームなどの交換部品、造形失敗時の再出力費用など、継続的なコストが発生します。

特に高性能材料ほど価格が高く、用途によっては想定より負担が大きくなる恐れがあります。

デメリット⑤造形環境の整備が必要

安定した造形には温度や湿度の管理が欠かせないため、樹脂臭への対策、金属粉末の安全管理、換気設備の導入など、適切な環境構築が求められます。

小型機でも環境条件が整わないと造形精度が低下するため、設置場所の選定は慎重に行う必要があります。

デメリット⑥オペレーション習熟が不可欠

スライサー設定、サポート材の調整、材料の保管方法など、運用には一定の知識が必要です。

操作自体は簡単でも、最適な仕上がりを得るには専門的な理解が要求され、担当者のスキルによって造形品質が大きく左右されます。

3Dプリンターは素材の多様化と性能の向上が進み、活用できる領域が広がっていますが、デメリットを理解した上で導入することで効果を最大限に引き出せます。

3Dプリンターを社内導入する際は、用途に応じた機種選定と運用体制の整備が重要です。

反対に3Dプリンターを社内導入するメリットとは?

3Dプリンターを導入すると、開発効率の向上やコスト削減など、ものづくりに関わる多くの工程で改善が見込めます。

メリット
メリット①試作スピードを大幅に高められる
メリット②開発コストを抑えられる
メリット③複雑形状のモデルを1台で造形できる
メリット④新しいアイデアを試しやすくなる
メリット⑤在庫管理の負担を軽減できる

前述では、3Dプリンターを社内導入するデメリットを話してきましたが、ここでは主なメリットを項目ごとに解説します。

メリット①試作スピードを大幅に高められる

従来の試作では外注加工や工程待ちのため数日〜数週間かかることが一般的でした。

しかし、3Dプリンターを使えば小型のモデルなら1日以内で造形できるため、設計変更から試作品の確認までの流れを短縮できます。

不具合が出てもすぐに造り直せるため、開発のテンポが上がり製品化までの期間も短くなります。

メリット②開発コストを抑えられる

製品生産において、外注する場合は打ち合わせ費用や加工費が発生しますが、3Dプリンターで社内生産が可能になればこれらのコストを削減できます。

本体価格や材料費は必要ですが、試作頻度が高い企業ほど投資回収しやすい傾向があります。

さらに、社内で設計から造形まで完結できるため無駄な工程も省けます。

メリット③複雑形状のモデルを1台で造形できる

従来の切削加工では中空構造や内部に入り組んだ形状が作りにくい課題がありました。

3Dプリンターならこのような複雑形状を一体で造形でき、新しい発想をかたちにしやすくなります。

さらに、試作段階で機能性の検証を行う際にも有効です。

メリット④新しいアイデアを試しやすくなる

3Dプリンターを社内導入すると短時間で造形できる環境が整うため、思いついたアイデアをすぐ形にできます。

試行錯誤のサイクルが早まり、問題箇所を早い段階で把握し改善できます。

さらに、量産前のリスク軽減にもつながり、開発プロセス全体の質向上が期待できます。

メリット⑤在庫管理の負担を軽減できる

3Dプリンターを社内導入すると、必要なときに必要な量だけ造形できるため、試作品を大量に保管する必要はありません。

フィラメントは小さく巻かれた円盤状で保管スペースもとりません。余った材料も別の造形に再利用でき、無駄な在庫を抱えずに済みます。

フィラメントの詳しい記事に関しては、以下を合わせてご参照ください。

3Dプリンターの造形方式別のメリット・デメリット

ここでは、3Dプリンターの造形方式別のメリット・デメリットを1つずつ詳しく解説します。

造形方式別のメリット・デメリット
造形方式①熱溶解積層方式(FDM)
造形方式②光造形方式(SLA/DLP)
造形方式③インクジェット方式(マテリアルジェッティング)
造形方式④粉末焼結方式(SLS)
造形方式⑤粉末固着方式(カラー3DP)

それではここから、1つずつ詳しくメリットとデメリットを紹介します。

造形方式①熱溶解積層方式(FDM)

熱溶解積層方式は、樹脂フィラメントを加熱して溶かし、層状に積み重ねて造形する最も広く普及した方式です。

装置構造がシンプルで扱いやすく、材料の種類も幅広いため、初心者から業務用途まで多くの現場で利用されています。

強度が必要な治具や試作品など、実用性を重視する場面で高い効果を発揮します。

メリット デメリット
・本体価格が低く導入コストを抑えられる
・小型モデルが多く設置スペースの制約を受けにくい
・材料や色の選択肢が豊富で目的に合わせて調整しやすい
・造形物の強度が高く実用的なパーツ製作に向いている
・積層痕が残りやすく表面仕上げが粗く見えることがある
・層間の結合が不十分な場合に割れが発生しやすい
・サポート材の除去に時間がかかり後処理の手間が増えることがある

強度や機能面を重視する造形には最適ですが、外観品質を優先する用途では他方式が適しています。

3DプリンターのFDM方式について、以下記事を合わせてご確認ください。

造形方式②光造形方式(SLA/DLP)

光造形方式は、液体樹脂を光で硬化させ積層する方式で、現行の3Dプリント技術の中でも特に高精度な造形を実現できる点が特徴です。

積層痕がほとんど目立たず、細かな形状を忠実に再現できるため、外観品質が重要視される分野で幅広く利用されています。

メリット デメリット
・微細な形状まで高精度で造形できる
・滑らかで均一な表面品質を実現できる
・透明樹脂を利用した透明モデルの造形が可能
・洗浄や二次硬化などの後処理工程が必要
・紫外線や直射日光に長時間さらされると変形や割れが発生する
・サポート材の除去作業が必須で形状によっては作業負荷が高くなる

フィギュア、デザイン模型、透明パーツなど、視覚品質優先の用途で特に有効な方式です。

造形方式③インクジェット方式(マテリアルジェッティング)

インクジェット方式は、複数のノズルから樹脂を噴射し積層する高度な造形方式です。

色表現の自由度が高く、滑らかな質感を再現できることから、見た目の再現度を求める制作に適しています。

異なる硬度や質感を同時に造形できるため、複合的な表現が必要な場面でも有効です。

メリット デメリット
・極めて滑らかな表面が得られプレゼンモデルに最適
・フルカラーに近い色表現が可能
・複数素材を組み合わせた一体造形ができる
・造形物の耐久性が低く実用部品には適さない
・直射日光によって退色や劣化が進みやすい
・稼働音が大きくサポート材の臭気が強い場合がある

建築模型、フィギュア、医療教育モデルなど、色や質感が重要となる場面で力を発揮します。

造形方式④粉末焼結方式(SLS)

粉末焼結方式は、粉末材料にレーザーを照射して焼結させる産業用途で多用される造形方式です。

サポート材を必要としない点が大きな特徴で、複雑な形状でも自由度の高い造形が可能です。

強度にも優れており、機能部品としての使用にも十分耐えられる品質を確保できます。

メリット デメリット
・サポート材なしで複雑な形状を造形できる
・耐久性が高く機能性部品にも対応できる
・自動車部品や工業部品など最終製品レベルの造形が可能
・表面がザラつきやすく追加仕上げが必要な場合がある
・装置が大型で導入コストが高くなりやすい

試作品から最終製品まで幅広く利用され、特に産業領域で高い評価を得ている方式です。

造形方式⑤粉末固着方式(カラー3DP)

粉末固着方式は、粉末に結合剤を噴射して固着させる方式で、色再現性に特化しています。

専用の後処理を行うことで鮮やかなカラー造形がそのまま得られるため、仕上げ塗装を必要としない点が大きな利点です。

メリット デメリット
・フルカラー造形が可能で鮮やかな発色を得られる ・造形物が脆く割れやすく強度を求める用途には適さない

建築模型やキャラクターフィギュアなど、視覚表現を重視する用途で効果を発揮します。

まとめ

3Dプリンターは開発スピードの向上やコスト削減など多くの利点を持つ一方で、素材の制約や大量生産への不向きさ、品質のばらつき、運用コストや人材育成といったデメリットも存在します。

これらを十分に理解せずに社内導入すると、想定外の負担が発生する可能性があります。

重要なのは、自社の目的や製品特性に合った造形方式と運用方法を選択し、必要に応じて外注サービスと併用する判断です。

3Dプリンターのデメリットを把握した上で導入を進めることで、技術の強みを活かしながら現実的な成果につなげやすくなります。

また、外注したい方や社内導入に迷っている方は3Dプリントのスペシャリストである当社『3Dayプリンター』にご相談・ご依頼ください。

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