ナイロンを使った3Dプリントは、強度と耐久性を両立できる点から、試作だけでなく実用品の製造にも広く活用されています。
吸湿性や反りといった扱いの難しさはあるものの、特性を理解して運用すれば、金属代替としても十分な性能を発揮します。
本記事では、3Dプリンター用ナイロンフィラメントの基本知識から特徴、具体的な活用用途、ナイロン造形に適した3Dプリンター機種まで徹底解説します。
ナイロン3Dプリントを検討している方が、用途に合った最適な選択を行える内容です。
3Dプリンター用ナイロンフィラメントとは?

3Dプリント向けナイロン素材は、ガラス繊維や炭素繊維を配合することで機械的性能を高めた高機能材料です。強度や剛性に優れており、用途に応じて難燃性や静電気散逸性といった特性を持たせることも可能です。
またナイロンは、粉末造形方式とFFF方式の二つの3Dプリント手法に対応している樹脂材料です。
なかでも当社3Dayプリンターでは、寸法精度や量産性に優れた粉末造形方式を用いたナイロン造形を多く扱っています。
ナイロンは、特にガラス繊維で強化されたナイロン部品は耐久性が高く、自動車分野や航空宇宙産業、消費者向け製品において、金属部品の代替素材として実用的に採用されています。
軽量化と設計自由度を両立できる点も、ナイロン材料が評価されている理由の一つです。
3Dプリンター用ナイロンフィラメントの特徴4選
ナイロン(PA)系フィラメントは、3Dプリンター用素材として人気が高く、多くの製品や試作に活用されています。
2.熱溶解積層(FFF)方式との相性が良い
3.実用性の高い幅広い活用シーン
4.ナイロンフィラメント
その理由は、耐久性や耐熱性、柔軟性といった高い性能を備えている点にあります。
それではここから、3Dプリンター用ナイロンフィラメントの特徴4選を1つずつ詳しく解説します。
1.湿気に注意が必要
ナイロンは吸湿性が高く、空気中の水分を取り込みやすい性質を持っています。
相対湿度20%以下の乾燥した環境であれば、安定した造形品質が期待できますが、水分を含んだまま使用すると「反り」「層間の接着不良」「衝撃への弱さ」といったトラブルが発生しやすくなります。
そのため、保管時には乾燥剤や湿度計を活用し、密閉容器や乾燥ボックスなどを併用することが大切です。ナイロンフィラメントの造形物を制作する際には、当社3Dayプリンターのようなプロフェッショナルに依頼することをおすすめしています。
2.熱溶解積層(FFF)方式との相性が良い
ナイロン系フィラメントは、FFF(Fused Filament Fabrication)方式の3Dプリンターと相性が良いことで知られています。
FFF方式ではフィラメントを加熱して溶かし、ノズルから吐出しながら層を重ねて立体造形を行います。
この方式は造形パラメータの調整によって物性を変化させやすく、厚みを持たせれば高い衝撃吸収性を持つ頑丈なパーツに、薄く成形すれば柔軟性に富んだ形状の製作が可能です。
3.実用性の高い幅広い活用シーン
ナイロンは高い性能を備えているため、用途が非常に広く、試作段階から完成品の製造にまで幅広く使用されています。
たとえば、試作時には形状だけでなく「靭性」「耐薬品性」「衝撃強度」といった機械的性質の検証に活用されます。また、金属に迫る耐久性を持つことから、実際に金属部品の代用素材としても使われています。
強度が求められる治具や産業用パーツの制作でも、ナイロンが選ばれる場面が多く見られます。このように、ひとつの素材で多様なニーズに対応できる点が、ナイロンフィラメントの強みです。
4.ナイロンフィラメントの特性
ナイロン素材の3Dプリンターフィラメントは、以下のような優れた特性を兼ね備えています
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| 衝撃への強さ | 打撃や圧力で破損しにくく、折れにくいです。 |
| 粘り強さ | 曲げやねじれに耐えやすく、割れにくいです。 |
| 耐熱性能 | 約80〜180℃の環境でも形状を保ちやすいです。 |
| 耐薬品・耐油性 | 油や化学薬品の影響を受けにくく、用途の幅が広いです。 |
| 遮光性 | 基本は不透明で、薄肉形状では光が拡散する場合があります。 |
各性能はフィラメントの種類やメーカーによって異なるので注意してください。
3Dプリンターで扱うナイロン樹脂フィラメントの活用用途
ここでは、3Dプリンターで扱われているナイロン樹脂フィラメントの活用用途を紹介します。
活用用途の種類は、以下の通りです。
活用用途②最終製品の製造
活用用途③治工具の製造
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
活用用途①機能試験用途
3Dプリンター用ナイロンフィラメントは、強度や柔軟性、耐薬品性に優れており、機能試験用の造形材料として多く採用されています。
外観や形状の確認だけでなく、実際の使用環境を想定した評価が可能です。
例えば、繰り返し曲げた際の耐久性や、薬品や油分が付着した場合の劣化有無など、実用性に直結するテストが行われています。
性能を重視した試作品を短期間で作成できる点は、開発工程の効率化にも適しています。
活用用途②最終製品の製造
ナイロンフィラメントは試作段階にとどまらず、最終製品として使用されるケースも増えています。
特に自動車業界や航空分野では、部品の軽量化と耐久性の両立が求められており、金属部品の代替素材として注目されています。
高い剛性と耐摩耗性を維持しながら重量を抑えられるため、燃費性能の向上やコスト削減にもつながります。少量生産やカスタム部品にも適しており、設計自由度の高さも評価されています。
活用用途③治工具の製造
耐摩耗性と耐久性を備えるナイロンフィラメントは、治工具の製作にも適した材料です。
治工具とは・・・加工や組立作業を正確かつ効率的に行うための補助器具を指します。
現場に合わせた形状を3Dプリンターで迅速に造形できるため、作業性の向上やミスの削減が期待できます。
金属製治工具と比べて軽量で扱いやすく、必要に応じてすぐに作り直せる点も、製造現場で重宝される理由です。
ナイロン造形に適した3Dプリンター5機種比較ガイド
ナイロン(PA系)は強度と耐摩耗性に優れる一方、吸湿しやすく反りも出やすい素材です。
安定して造形するには、高温対応のホットエンド、筐体(チャンバー)の温度管理、乾燥運用まで含めて機種選定する必要があります。
Guider3Plus
Creator3Pro
Guider3
Creator4S
ここではナイロン用途で選ばれやすい機種を、特徴と仕様表付きで整理します。
Bambu Lab H2 シリーズ

H2シリーズはBambu Labの新世代フラッグシップ系統として展開され、造形サイズ拡大や高温対応、チャンバー加熱などエンジニアリング材料向けの要件を押さえた設計が特徴です。
H2Sは、350℃ホットエンドとアクティブチャンバー加熱(最大65℃)を備え、PLAやPETGだけでなくPCやPPAまでBambuのフィラメントラインアップ全体を対象にうたっています。
ナイロン運用では、350℃級のノズル上限とチャンバー温調がある機種ほど反りや層間の安定に貢献しやすくなります。
H2D系はデュアルノズル構成やレーザー/カッティングの拡張が前面に出ていますが、少なくとも公式仕様としてノズル最高350℃、ヒートベッド最高120℃、アクティブチャンバー加熱(最大65℃)が明記されています。
| 項目 | H2S | H2D |
|---|---|---|
| 造形サイズ | 340×320×340mm | 350×320×325mm |
| 造形方式 | FFF系(熱溶解積層法) | FFF系(熱溶解積層法) |
| ホットエンド | オールメタル | オールメタル |
| ノズル最高温度 | 350℃ | 350℃ |
| 対応ノズル径 | 0.4mm標準 | 0.2/0.4/0.6/0.8mm |
| ヒートベッド最高温度 | 120℃ | 120℃ |
| チャンバー加熱 | 対応(最大65℃) | 対応(最大65℃) |
| 主な特徴 | 高温造形と安定性を重視したシングルノズル構成 | デュアルノズル構成。レーザー加工やカッティング機能は構成により選択 |
Guider3Plus

Guider3Plusは、高速造形と大型出力を両立したモデルです。
Core-XY構造によるスピードに加え、Z軸の剛性を高めた設計で大きな造形でも安定性を狙っています。
背面にフィラメント収納ボックスを備える構成のため、吸湿しやすいナイロンを運用する際の管理面でも扱いやすい機種となります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 造形サイズ | 350×350×600mm |
| 造形方式 | FFF |
| 造形精度 | ±0.15mm |
| ノズル | 0.4mm(0.6/0.8mm) |
| 対応フィラメント | PLA/PETG/ASA/ABS/PC/PA/PLA-CF/PETG-CF/PA-CFなど |
| 積層ピッチ | 0.05〜0.4mm |
| 販売価格 | 要お問い合わせ |
| 保証 | 1年 |
Creator3Pro

Creator3Proは、価格のバランスを重視したFDM機です。
独立式デュアルヘッドによりミラー造形や材料違いの組み合わせに対応し、ノズル選択肢も用意されています。
タッチパネル操作が前提のため、複数人で運用する教育・試作現場でも扱いやすい構成です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 造形サイズ | 300×250×200mm |
| 造形方式 | FFF |
| 造形精度 | ±0.2mm |
| ノズル | 0.4mm(0.6/0.8mm) |
| 対応フィラメント | PLA/ABS/PA/PC/PVA/HIPS/PETG/PETG-CF/PA-CF/TPU(条件あり) |
| 積層ピッチ | 0.05〜0.3mm |
| 販売価格 | 330,000円(税込) |
| 保証 | 1年 |
Guider3

Guider3はスピード重視の設計で、Core-XY構造と高い移動速度を前提にしたモデルです。
造形数を回したい試作フェーズで使いやすく、取り外しやすさを意識したプラットフォーム選択肢がある点も実務向きです。
Creator4S

Creator4SはFLASHFORGEの上位機として、大型造形と温度管理を重視した設計です。
独立型デュアルエクストルーダーにより多様な造形に対応し、庫内温度調整機能を備えるため、ナイロンの反り対策を前提に精度を詰めたい用途に向きます。
産業用途での導入例もあり、PA12-CFのような強化ナイロンでの試作検証にも使われています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 造形サイズ | 400×350×500mm |
| 造形方式 | FFF |
| 造形精度 | ±0.2mm |
| ノズル | 0.4mm(0.6/0.8mm) |
| 対応フィラメント | PLA/ABS/PETG/PC/PA/ASA/PBAT/TPC/TPE/PVA/HIPS/PA-CFほか |
| 積層ピッチ | 0.05〜0.4mm |
| 販売価格 | 100万円台 |
| 保証 | 1年 |
ナイロン樹脂を使った造形は『3Dayプリンター』にお任せ!

3Dayプリンターは、株式会社メルタが運営する3Dプリント受託サービスです。「3Dが、3日で目の前に!」というコンセプトのもと、短納期と安定した品質を両立したサービスを提供しています。
3Dデータの設計支援からプリント出力、塗装や研磨などの後加工、小ロットでの試作対応まで、一連の工程をワンストップで任せることが可能です。試作開発のスピードを重視する企業や、完成度の高い造形を求めるユーザーにも適しています。
対応素材はABS樹脂をはじめ、ナイロン樹脂、金属、シリコンなど18種類以上に対応しています。ナイロン樹脂は、耐久性や耐摩耗性に優れており、機能試作や実用品の造形にも活用されています。用途や求める強度に応じた素材選定の相談も可能です。
これまでにソニー、NTT西日本、早稲田大学などの企業・教育機関への納品実績があり、法人や研究機関だけでなく、個人のクリエイターからも幅広く利用されています。
目的や課題に応じた活用方法の提案や導入サポートも行っているため、3Dプリントの外注やナイロン樹脂造形を検討している場合は、気軽に相談できます。

なお、株式会社メルタでは、オリジナルトロフィーや記念品の制作を依頼できる「メルタ堂」というサービスも展開しています。公式画像や制作事例とあわせて確認することで、用途に応じた活用イメージを広げられます。
まとめ
ナイロンは、耐久性や耐摩耗性、靭性に優れた3Dプリント向け材料であり、機能試験、最終製品、治工具製作など幅広い用途に対応できます。
一方で吸湿しやすい特性を持つため、保管環境や造形条件の管理が品質を左右します。
FFF方式を中心に、多様な3Dプリンターで扱える点もナイロン素材の大きな魅力です。
適切な機種選定と運用で、試作効率の向上や製品品質の安定につながります。
また、ナイロン樹脂を使った高品質な造形や短納期対応を求める場合は、専門設備と実績を持つ『3Dayプリンター』に任せるのがおすすめです。



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