3Dプリントで造形物に塗装する理由とは?塗装のステップや依頼会社を紹介

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3Dプリンターで作成した造形物を、さらに高品質に仕上げるためには「塗装」が欠かせません。

積層痕の処理や質感の調整を施すことで、見た目の印象は大きく変わり、強度や耐候性も向上します。

特にフィギュアや模型、プロモーション用の展示物では、色彩表現や質感が作品の完成度に直結します。

この記事では、3Dプリント塗装の基礎から塗装の5ステップ、素材別の注意点、トラブルの回避方法まで詳しく解説していきます。

仕上がりの美しさを左右する工程だからこそ、正しい知識と方法で取り組むことが重要です。

3Dプリントで造形物に塗装する理由とは?

3Dプリント「手塗り塗装」

3Dプリンターで出力された造形物は、そのままでも形状は再現されていますが、表面処理として塗装を加えることで、仕上がりの完成度は格段に向上します。

単なる色付けだけではなく、見た目・強度・一体感の面でも多くの恩恵があります。

塗装が必要な理由
理由①表面品質を高め、見た目の完成度を引き上げる
理由②素材を守り、耐久性と耐候性を向上させる
理由③分割造形したパーツを自然に一体化させる

ここからは、3Dプリント後の造形物に塗装する明確な理由を解説します。

理由①表面品質を高め、見た目の完成度を引き上げる

積層方式で造形されたモデルには、どうしても積層痕やサポート除去による傷が残りやすくなるため、そのままだと安っぽく見える原因にもなります。

そこで、塗装前に表面を整えた状態で塗料を塗布することで、滑らかな質感を実現できます。

さらに、光沢やマットといった質感の表現も可能になり、色を使い分けることでリアルな外観の演出にもつながります。

理由②素材を守り、耐久性と耐候性を向上させる

塗料の皮膜は、外的要因から造形物を保護するバリア(コーティング)として機能します。

特に紫外線に弱い光造形方式の素材では、時間の経過とともに劣化が進みやすくなりますが、塗装を施すことで紫外線の影響を抑えられます。

また、湿気や汚れの付着を防ぐ効果もあり、結果として耐久性や保存性の向上が期待できます。

理由③分割造形したパーツを自然に一体化させる

サイズが大きいモデルや複雑な形状の造形物は、複数のパーツに分割して後から接着するのが一般的です。

しかし、接着だけでは継ぎ目が目立ってしまい、一体感に欠ける印象になります。

そこで、パテ処理で継ぎ目を滑らかにした後、塗装で全体を均一に仕上げることで、まるで一つのパーツで構成されたかのような自然な仕上がりを実現できます。

初心者でも失敗しにくい3Dプリント塗装の基本5ステップ

ここでは、初心者でも失敗しにくい3Dプリント塗装の基本5ステップを紹介します。

3Dプリント塗装の手順
手順①サポート材の除去と積層痕の処理
手順②パーツの洗浄と乾燥
手順③塗料の密着性を高める下地処理
手順④メインとなる本塗装
手順⑤塗装面を保護するトップコート

それでは、1つずつ詳しく解説します。

手順①サポート材の除去と積層痕の処理

最初に行うのは、造形物に付着しているサポート材の除去です。

ニッパーやデザインナイフを使って丁寧に取り外した後、積層痕やバリを取り除くため、ヤスリを使って表面を整えます。この作業は塗装の完成度に直結するため、非常に重要です。

まずは目の粗いヤスリ(#400前後)で全体の凹凸をならし、仕上げに細かい番手(#600〜#1000)のヤスリで滑らかな面に整えてください。

手順②パーツの洗浄と乾燥

表面処理後は、削りカスや手の油分が残っている場合があります。これらをしっかり落とさないと、塗料がうまく定着しない原因になります。

中性洗剤と歯ブラシなどを使って優しく洗い、ホコリや油分をきれいに落としましょう。洗浄後は布で水分を拭き取り、完全に乾燥させることが大切です。

手順③塗料の密着性を高める下地処理

下地処理には、塗装の発色を良くし、密着性を高めるサーフェイサー(プライマー)を使います。サーフェイサーには、目視では気付きにくい小さな傷を見つけやすくなる効果もあります。

スプレーはパーツから20〜30cmほど離して、薄く均一に吹き付けるのがポイントです。一度に厚塗りせず、複数回に分けて重ねていくとムラなく仕上がります。

手順④メインとなる本塗装

サーフェイサーが乾燥したら、本塗装に進みます。

缶スプレー、筆、エアブラシなど、自分に合った道具で塗装を行います。

この段階でも、厚塗りを避けて薄く塗り重ねていくのが基本です。塗っては乾かし、また塗って、を繰り返すことで、ムラのない美しい仕上がりになります。

手順⑤塗装面を保護するトップコート

塗装が完了し、十分に乾いたら、最後にトップコートを施して塗膜を保護します。

トップコートは摩擦や衝撃によるダメージから塗装面を守ると同時に、質感を仕上げる重要な工程でもあります。仕上がりは「グロス(光沢)」「セミグロス(半光沢)」「マット(つや消し)」から選び、作品の雰囲気に合ったものを選びましょう。

3Dプリント塗装の注意点

3Dプリンターで出力できる素材にはさまざまな種類があり、性質が異なります。

また、造形方式によっても質感が変わりますのでそれぞれ適切な処理が必要です。

それぞれの素材特性を理解した上で塗装工程に進むことで、塗料の定着不良や変形といったトラブルを避けられます。

ここでは、素材ごとの塗装の注意点を徹底解説します。

PLA素材を塗装する際の注意点

PLA(ポリ乳酸)は、FDM方式の3Dプリンターでよく使われるスタンダードな材料です。

FDM造形方式は、積層痕が濃く出るため、研磨のみでは積層痕を消すのが難しくなります。積層痕を消すためには、研磨後に薄くパテを延ばすなどの方法が有効的です。

また、耐熱性が低いため、ヒートガンなどで高温にさらされると簡単に変形してしまう特徴があります。

乾燥工程ではヒートガンなどを使用せず、風通しの良い室内で自然乾燥させるのが安全です。

加熱による歪みを防ぐためにも、高温には十分注意しましょう。

UVレジン(光造形)素材を塗装する際の注意点

光造形(SLAやDLP)方式で使われるレジンは、積層痕が目立ちにくく表面が滑らかな点が大きな特長です。

しかし、造形直後には未硬化のレジンが表面に残っている場合があり、これを放置すると塗料が密着しにくくなります。

塗装の前には、IPA(イソプロピルアルコール)などを用いてしっかりと洗浄し、その後UVライトで二次硬化を施すことが必要です。下処理を怠ると塗装ムラや剥がれの原因となるため、丁寧な前処理が塗装成功の鍵となります。

ナイロン素材を塗装する際の注意点

ナイロン素材は、粉末造形(SLS)でよく扱われる素材で、強度が高く汎用的な素材として人気です。

しかし、表面は粉末造形ならではの特有のザラザラとした質感が残るデメリットがあります。

フィギュアや製品模型のように滑らかな表面を目指すためには、より丁寧な下地処理が必要になります。

3Dプリント塗装のトラブル対処法

丁寧に仕上げたつもりでも、塗装の過程で予期せぬトラブルが起きることは少なくありません。

トラブル対処法
1.塗装表面にムラや液だれが発生する
2.塗料が定着せず剥がれる
3.処理したはずの積層痕が目立ってしまう

ここでは、よくある失敗例とその背景、そして具体的な対策について解説します。

1.塗装表面にムラや液だれが発生する

一度に厚く塗ろうとすると、塗料が垂れたり乾燥時にムラになる可能性があります。

特にスプレーを使用する場合は、対象との距離が近すぎたり、同じ場所に連続で噴射することが原因になります。

塗装は一度に仕上げようとせず、薄く何度も塗り重ねることで対策可能です。これを守ることで、ムラや垂れのリスクを大幅に軽減できます。

2.塗料が定着せず剥がれる

最もありがちな原因は、塗装前の洗浄不足による、表面に油分や削りカスが残っているケースです。

また、塗装の下地処理であるサーフェイサーを省略すると、塗料の密着性が著しく損なわれます。

塗装前に中性洗剤などでしっかりと洗浄し、乾燥後に脱脂を行うこと、さらに必ずサーフェイサーを塗布することで対策できます。

3.処理したはずの積層痕が目立ってしまう

ヤスリがけをしっかり行ったつもりでも、塗装後に積層痕が浮き出てしまうことがあります。

とくに光沢仕上げでは、わずかな段差でも目立ちやすくなります。これを防ぐには、サーフェイサーを吹いた後に表面を一度確認し、まだ痕が見えるようであれば、再度研磨作業(ヤスリがけ)に戻る必要があります。

サーフェイサーには小さな傷を見つけやすくする効果があるため、塗装前の最終チェックとして活用しましょう。

3Dプリント造形物の塗装にかかる価格相場

3Dプリント造形後の塗装には、染色・塗装・金メッキ塗装・手作業による複数色の塗装など、さまざまな種類があります。

それぞれの加工内容と所要日数、費用感を以下の表にまとめました。(参照:3Dayプリンター

塗装方法 価格帯 納期目安 備考
単色の染色・塗装 5,000円〜 2〜4営業日 染色の場合は、個数が増えても合計価格は大きく変動しない
金属メッキ塗装 40,000円〜 6〜10営業日 対応色:シルバー、金、赤など
手作業での複数色塗装 要見積もり(50,000円〜) 応相談 模型や特殊用途に対応

単色の染色や塗装は比較的安価かつ短納期で対応可能です。特にボールペンサイズの小型造形であれば、50個まとめても約2万円前後で収まるケースが多く、プロモーション用など量産向けにも適しています。

一方、金属メッキ塗装はコスト・納期とともにやや高めですが、高級感や耐久性を持たせたい用途に有効です。カラーはシルバーやゴールド、赤メッキなどから選択可能です。

さらに、模型やフィギュアなどで求められる複数色の手塗り対応は、すべてオーダーメイドのため、都度見積もりが必要になります。表現の自由度は高いものの、費用と納期には十分な余裕が必要です。

目的に応じて、塗装方法とコストバランスを検討することが重要です。必要に応じて事前相談や見積もり依頼することで、最適な仕上がりを実現できます。

3Dプリントの塗装なら「3Dayプリンター」に相談

3Dayプリンターは、東京都墨田区両国に3Dプリント工場を構える株式会社メルタが提供する3Dプリントの受託サービスです。「3Dが、3日で目の前に!」をキャッチフレーズに、スピーディーな対応と高い技術力を兼ね備えています。

3Dデータの設計からプリント、塗装や研磨といった後工程、さらには小ロットの試作まで、すべてワンストップで対応できます。

対応内容3Dデータ→3Dプリント→塗装(後処理)など全てを提案できる幅広さ
3Dデータ制作対応可能
価格帯低価格
納期傾向短納期
向いている人・3Dデータをすでに持っている人
・3Dデータを持っていない人
・ものづくりに詳しくない方
注意点データ品質が完成度に直結

対応素材はABS樹脂や金属、シリコンなど18種類以上に及び、試作品から実用品まで幅広いニーズに応じた高精度な出力が可能です。

これまでにソニー、NTT西日本、早稲田大学など多数の企業や教育機関への納品実績があり、法人・研究機関から個人のクリエイターまで幅広いユーザーに利用されています。

課題や目的に合わせた導入支援や最適な活用方法のご提案も行っておりますので、3Dプリントをご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。

3Dayプリンターの量産LPの画像

さらに、3Dayプリンターを運営する株式会社メルタでは、試作から量産まで一気通貫で支援が可能です。

こちらのサイトより、価格・納期の目安から製作の流れなど詳細が確認できますので、量産が初めての方でも安心してお任せいただけます。

「人間くらいの大きなサイズの立体フィギュアを作成したい!」「3Dスキャンから人物・建物模型を作りたい!」「イベント・キャンペーンのグッズやノベルティを製作したい」方などは、まずは株式会社メルタまでご相談ください。

まとめ

本記事を通して3Dプリント造形に塗装を加えることで、表面の質感を整え、耐久性を向上させ、パーツ同士の一体感を高められるなど多くのメリットを感じられる内容になっています。

特にPLAやABS、UVレジンといった素材ごとに適した処理方法を理解し、丁寧に工程を進めることで、ムラや剥がれなどの失敗を防ぎながら、プロ品質の仕上がりが目指せます。

こうした塗装のクオリティを求めるなら、技術と実績を兼ね備えた「3Dayプリンター」への依頼がおすすめです。

当社では、単色塗装から複雑な手塗り、金属メッキまで幅広く対応しており、法人・個人問わず高い満足度を得られるサービスとなっています。

さらに、試作から量産までワンストップで支援しているため、短納期・高品質の塗装仕上げを希望する方に最適です。信頼できるプロフェッショナルの塗装技術で、造形物の魅力を最大限に引き出しましょう。

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