【2025年最新】金属3Dプリンターの製作事例を徹底解説!

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金属3Dプリンターは、金属素材を使って複雑な形状の部品を造形できる最先端の製造技術です。

ステンレスやチタン、銅など多彩な金属材料に対応しており、従来の切削加工や鋳造では難しかった形状も一体成形が可能となっています。

また、強度や耐熱性に優れた造形物が作れるため、航空宇宙、医療、自動車分野などで急速に普及が進んでいます。

本記事では、金属3Dプリンターの基本的な仕組みから主な造形方式、樹脂3Dプリンターとの違い、実際の活用事例までを詳しく解説します。

金属3Dプリンターとは?

金属3Dプリンターは、金属素材を用いて立体造形ができる3Dプリンターの一種です。

使用できる材料は機種や方式によって異なりますが、ステンレス鋼・工具鋼・チタン合金・銅など、実用性の高い金属が対応している機種も多く存在します。

金属は樹脂とは異なる機械特性を持っており、強度や耐熱性に優れた部品を製造することが可能です。

従来の切削加工や鋳造に頼らずとも、複雑な形状の金属パーツを一体成形できる点が大きな魅力です。

金属3Dプリンターの仕組み

金属3Dプリンターは、金属粉末を高エネルギーのレーザーや電子ビームで溶かし、設計データに基づいて層ごとに積み重ねて造形する装置です。

主な方式には以下の4つがあります。

・SLS(レーザー焼結法):金属粉末にレーザーを照射して部分的に焼結し、造形
・DMLS(直接金属レーザー焼結法):イッテルビウムレーザーを使って高密度な金属パーツを直接造形
・SLM(レーザー溶融法):粉末を完全に溶かして積層する方式で、高強度な部品の製造に適する
・EBM(電子ビーム溶融法):真空中で電子ビームを照射して金属粉末を溶かし、高速かつ高精度に造形

いずれの方式もサポート材が不要で、複雑な形状や中空構造の造形が可能です。

これにより、試作から最終製品まで対応でき、航空宇宙や医療など多様な分野で利用が広がっています。

金属3Dプリンターならではの強み!樹脂3Dプリンターとの違い

金属3Dプリンターは、単なる素材の違いにとどまらず、製造の概念そのものを塗り替えるポテンシャルを持った技術です。

では、従来の樹脂3Dプリンターと比べて、どのような点で優れているのでしょうか。

金属3Dプリンターが優れているポイント
1.試作から量産まで対応可能な柔軟性
2.金属3Dプリンターは製造工程を変える技術

ここでは、金属ならではの特性がもたらす製造上のメリットや活用シーンの違いについて詳しく解説します。

1.試作から量産まで対応可能な柔軟性

一般的な樹脂3Dプリンターは、主に試作品の制作までを想定しており、最終的な製品は金属加工で作り直すケースが多く見られます。

一方、金属3Dプリンターでは、試作段階から実際に使用できるレベルの強度・耐熱性を備えた金属部品を直接造形することが可能です。

さらに、造形後に切削や研磨などの後加工を施すことで、精度の高い部品を短期間で仕上げられます。これにより、試作から量産まで一貫した製造プロセスを実現できるのが大きな魅力です。

2.金属3Dプリンターは製造工程を変える技術

金属3Dプリンターは、従来の製造工程を根本から変える革新的な技術です。

これまで複雑な形状や内部構造を持つ部品は、従来の切削加工では製造が難しいものでした。

しかし、3dプリンターによる金属造形を活用すれば、設計データをもとに自由度の高い構造を直接成形できます。

この技術は、部品の軽量化・生産コスト削減・リードタイム短縮といった効果をもたらし、航空宇宙や医療、自動車など幅広い分野で注目されています。

金属3Dプリンターは、まさに次世代の製造現場を支える中核技術と言えるでしょう。

金属3Dプリンターの主要な造形方式と特徴

金属3Dプリンターには、使用する材料や造形プロセスの違いによって複数の方式が存在します。

それぞれに特有の強みや用途があり、目的や予算、求められる精度によって最適な方式は異なります。

主要な造形方式
・MEX方式(金属フィラメント方式)
・バインダージェット方式
・DED方式(指向性エネルギー堆積方式)
・PBF方式(粉末床溶融結合方式)
・ラティス構造

ここでは、現在主流となっている4つの造形方式について、仕組みと特徴をわかりやすく解説します。

MEX方式(金属フィラメント方式)

MEX(MaterialExtrusion)方式は、樹脂3Dプリンターで広く採用されている造形手法で、フィラメント状の素材をノズルで加熱・溶融し、層ごとに積み重ねていく仕組みです。

金属3Dプリンターにおいてもこの技術が応用されており、使用される材料は金属粉末と樹脂やワックスを混合して成形したフィラメントまたは棒状の素材になります。

造形自体は積層方式で進みますが、プリント終了時点では完成品とは言えません。

この段階では樹脂成分が残っているため、「脱脂」と呼ばれる工程で不要な成分を取り除き、さらに「焼結」という高温処理によって金属だけを焼き固めることで、最終的な製品として仕上がります。

バインダージェット方式

バインダージェット方式の金属3Dプリンターは、粉末状の金属材料を敷き詰めた層にバインダーと呼ばれる接着剤を噴射し、各層を固めながら積み重ねていく造形方法です。

インクジェット方式に似たプリントヘッドの往復動作により、広い範囲を一度に処理できるため、短時間での出力が可能です。

造形が完了した後は、バインダーを除去する工程に進み、続いて脱脂処理と焼結処理することで、最終的に強度と密度を備えた金属製品が完成します。

この方式は導入コストが比較的高めですが、MEX方式(マテリアル押出)と比べて細かいディテールの再現性に優れており、造形精度が高い特徴があります。

また、ビルドエリア内で複数の異なる形状を同時に造形できるネスティングにも対応しており、生産効率に優れている点も大きなメリットです。

DED方式(指向性エネルギー堆積方式)

DED(Directed Energy Deposition)方式の金属3Dプリンターは、ノズルから噴射される金属粉末に対して、同時にレーザーや電子ビームを照射しながら金属を溶かして積み重ねていく造形技術です。

従来の方式とは異なり、脱脂や焼結、粉体除去、サポート材の取り外しといった煩雑な後処理を必要としない特徴があります。

また、既存の部品表面に直接金属を積層することもできるため、摩耗した機械部品の補修やカスタマイズ用途にも適しています。

PBF方式(粉末床溶融結合方式)

PBF(Powder Bed Fusion)方式は、金属粉末を薄く敷き詰め、その上からレーザーまたは電子ビームを照射して粉末を溶かし、層ごとに固めながら立体形状を形成する造形方法です。

金属3Dプリンターにおいて最も広く利用されている技術であり、多種多様な製品が各メーカーから提供されています。

ラティス構造

金属3Dプリンターの大きな特徴のひとつに、ラティス構造を精密に造形できる点があります。

ラティス構造とは、ジャングルジムのように複雑に入り組んだ格子状のデザインで、素材の強度を保ちながら大幅な軽量化が可能な構造を指します。

このような構造は従来の製造技術では再現が難しく、3Dプリンターのように積層造形ができる装置だからこそ実現できます。

特に航空宇宙分野では、機体の積載重量の制限をクリアするために、軽くて強い部品設計が求められており、ラティス構造の採用が進んでいます。

月面探査機『SLIM』に搭載されたアルミ製のラティス構造の衝撃吸収材の画像
出典:日本積層造形株式会社(JAMPT)

日本積層造形株式会社(JAMPT)は、金属3Dプリンターを用いて、月面探査機『SLIM』に搭載されたアルミ製のラティス構造の衝撃吸収材を開発しました。

この部品は、着陸時に衝撃を吸収して機体を守る重要な役割を果たし、JAXAによる日本初の月面ピンポイント着陸の成功を支えました。

この衝撃吸収材は、大阪・関西万博の日本館「ファクトリーエリア」に展示されており、3Dプリンティング技術による新しいものづくりの可能性を多くの来場者に伝えています。

金属3Dプリンターの製作事例3選

ここでは、当社3Dayプリンターが金属3Dプリンターで製作した事例を紹介します。

金属3Dプリンターの製作事例
・東北大学|研究用の波形模型
・Encode Ring|声でつくる指輪
・チタン製アルファベットプレート

それではここから、製作事例を1つずつ詳しく解説します。

東北大学|研究用の波形模型

東北大学|研究用の波形模型の画像

研究用途として、64チタン合金を使用し、3Dプリンターで直接造形を行いました。

切削加工や鋳造では再現が困難な複雑な波状パターンも、精密に出力できています。

また、独自の工法によりサポート材を取り除き、仕上がりも滑らかになっています。

さらに、高強度・高耐食性を持つ64チタン素材と高精度3Dプリント技術の組み合わせにより、試作品や研究向けパーツとして優れた性能を発揮します。

素材 64チタン
サービス内容 3Dデータからの直接3Dプリント
サイズ X:30.8×Y:30.9×Z:30.8(mm)
個数 1個
納期 10日
価格 120,000円

Encode Ring|声でつくる指輪

Encode Ring|声でつくる指輪の画像

3秒間の音声をもとに、大切な想いを形にするメッセージリング『Encode Ring』。このユニークなジュエリーは、プロポーズや出産祝いなど特別なシーンで選ばれており、国内外のメディアでも多数紹介されています。

音声の波形から作成された3Dデータをもとに、ワックス樹脂で精密な原型を3Dプリントし、その後「ロストワックス法」と呼ばれる技術で金属鋳造することで、唯一無二の指輪が完成します。

素材 ワックス樹脂+鋳造
サービス内容 3Dデータからの3Dプリント
納期 5日〜
価格 12,000円〜

チタン製アルファベットプレート

チタン製アルファベットプレートの画像

当社3Dayプリンターでは、3文字のアルファベットをかたどった特注プレートを制作しました。

コストを抑えつつ金属での造形をご希望だったため、軽量かつ高強度なチタンを使用しています。

チタン製アルファベットプレート「ハニカム構造」の画像

プレート上部はハニカム構造にすることで重量を軽減しつつ、文字同士がバラバラにならないよう適切に連結された設計となっています。

本製品は強度と軽さを両立した、実用性の高い仕上がりとなりました。

素材 チタン
サービス内容 3Dデータからの3Dプリント
サイズ X:11.9×Y:49×Z:11(mm)
個数 3個
納期 7日
価格 16,000円(1個)

金属3Dプリンターの製作なら『3Dayプリンター』にお任せ!

3Dayプリンターは、株式会社メルタが提供する3Dプリントの受託サービスです。「3Dが、3日で目の前に!」をキャッチフレーズに、スピーディーな対応と高い技術力を兼ね備えています。

3Dデータの設計からプリント、塗装や研磨といった後工程、さらには小ロットの試作まで、すべてワンストップで対応できます。

対応素材はABS樹脂や金属、シリコンなど18種類以上に及び、試作品から実用品まで幅広いニーズに応じた高精度な出力が可能です。

これまでにソニー、NTT西日本、早稲田大学など多数の企業や教育機関への納品実績があり、法人・研究機関から個人のクリエイターまで幅広いユーザーに利用されています。

課題や目的に合わせた導入支援や最適な活用方法のご提案も行っておりますので、3Dプリントをご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。

メルタ堂の公式画像

また、同社サービスでオリジナルトロフィーを発注できる『メルタ堂』というサービスも運営していますので、合わせてご確認ください。

まとめ

金属3Dプリンターは、試作品だけでなく最終製品レベルの部品も製造できる画期的な造形技術です。

SLS、DMLS、SLM、EBMなど多様な方式が存在し、素材や用途に応じて最適な選択が可能です。

中でもラティス構造のような軽量かつ強度を兼ね備えた設計は、従来工法では困難でしたが、3Dプリントにより高精度で実現できます。

また、MEXやバインダージェット、DED方式なども登場し、導入の選択肢はさらに広がっています。

金属3Dプリンターは試作から量産、小ロット生産、さらには補修用途にまで対応できる柔軟性を持ち、製造業の在り方を根本から変えるポテンシャルを秘めています。

金属3Dプリンターの導入・代行を依頼することで、製品開発やコスト削減、生産スピードの向上に繋がります。

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