製品開発の現場では、いかに素早く、低コストで試作品を完成させられるかが重要なポイントです。
従来の試作工程では、図面作成から金型製作、外注依頼まで時間も費用もかかっていましたが、今では3Dプリンターがその常識を大きく変えつつあります。
アイデアをすぐに形にし、何度も試作と検証を繰り返せる環境を実現できるのが最大の魅力です。
この記事では、3Dプリンターによる試作の具体的なメリットや費用相場、実際の製作事例までを詳しく紹介します。
結論|3Dプリンターは試作に最適
製品開発における試作品の制作は、スピードとコストの両立が求められます。
3Dプリンターはこの工程に革新をもたらし、従来の加工方法と比べて圧倒的なスピードで試作品を造形できます。
設計データが完成すれば、金型を作ることなく短時間で形状確認や組み立て検証が行えるため、試作段階の時間短縮に大きく貢献します。
また、3Dプリンターでは形状や構造の異なるモデルを迅速に切り替えて出力できるため、試作を繰り返しながら最適な設計へとブラッシュアップすることが可能です。
設計変更への柔軟な対応が求められるプロジェクトにおいて、3Dプリンターは非常に有効なツールといえます。
さらに、樹脂・金属・ゴムライクなど多様な素材を使い分けることで、使用環境や目的に合わせた試作が可能です。
製品の質感・強度・機能性を確認する上でも、3Dプリンターの活用は設計精度の向上に直結します。
このように、3Dプリンターはコスト削減と開発スピードの向上を両立させる手段として、試作段階において欠かせない存在になりつつあります。
3Dプリンターは、製品開発の効率化を目指す企業にとって、導入する価値の高い技術として注目を集めています。
3Dプリンターで試作する3つのメリット
ここでは、3Dプリンターで試作するメリットを3つ紹介します。
・材料費だけで試作可能な高コストパフォーマンス
・試作スピードの大幅な向上
それぞれのポイントを順番に解説します。
メリット①アイデアをすぐに形にできる柔軟性がある
3Dプリンターを使えば、ひらめいたアイデアを即座に立体化できるメリットがあります。
従来の試作工程では、図面作成や金型製作が必要なため、設計変更には時間もコストもかかっていました。
一方で3Dプリンターなら、設計データを修正するだけで再造形が可能です。造形時間も比較的短く、再試作のハードルが低い傾向にあります。また、京都産業大学でも、実験用パーツや治具の作成に3Dプリンターを活用しています。
仮に設計に不備があっても、すぐに修正・再製作できるため、研究開発や製造現場で高く評価されています。
メリット②材料費だけで試作可能な高コストパフォーマンス
試作コストの削減も、3Dプリンターの大きな利点です。
自社に3Dプリンターがあれば、造形に必要なのは基本的に材料費のみです。
従来のように射出成形で試作品を作るには、アルミなどを使った簡易金型の製作が必要で、そのぶんコストもかかります。また金型は一度作ると簡単に修正できず、何度も試作を繰り返すのは非効率でした。
3Dプリンターなら、金型不要でダイレクトに出力できるため、コストを最小限に抑えつつ柔軟な試作が行えます。特に予算が限られている中小企業やスタートアップには、導入の恩恵が大きくなります。
メリット③試作スピードの大幅な向上
3Dプリンターを活用することで、開発スピードが劇的に向上するメリットがあります。
外部業者に依頼する場合、設計の確認・発送・納品などに時間がかかるのが一般的です。
しかし自社で出力できれば、3Dデータが完成した時点ですぐに造形を始められるため、製品開発のリードタイムを短縮できます。
さらに、治具や補助パーツも必要に応じて短時間で作成できるため、業務全体の効率化にもつながります。
3Dプリンターによる試作製作の価格相場はどのくらい?
3Dプリンターによる試作製作の価格相場は、用途や素材、造形物の大きさなどに様々な要素が影響するため幅が大きくなるのが現状です。
一般的な価格相場は、数千円〜数十万円と言われていますが『3Dデータ製作』や『CAD用3Dデータの修正』などを挟むと、価格が上昇します。
当社3Dayプリンターでは、お客様の目的に応じて、適切な素材や造形方式を専門スタッフがご提案しております。図面や手描きイラストからの製作も可能で、製品開発のスピードアップやコスト削減が実現します。
ここでは、3Dプリンターによる試作品製作の代表的な価格相場を用途別にわかりやすくまとめました。なお、価格はあくまで目安となっており、サイズ・数量・形状・素材・後加工内容により変動いたします。
| 用途 | 作業工程 | 納期 | 価格(税込) | 使用素材 | サイズ目安 | 後加工オプション |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 外観確認用試作 | 3Dデータ修正 | 約8営業日 | ¥25,000 | ABSライク樹脂 | 縦150mm×横80mm×奥行80mm | 塗装・メッキ塗装・接着 |
| 3Dプリント | 2営業日 | ¥35,000 | ||||
| 後加工・オプション | 8営業日 | ¥75,000 | ||||
| 合計(目安) | ¥135,000 | 約18営業日 | ||||
| 機能性確認用試作 | 3Dデータ制作 | 6営業日 | ¥60,000〜 | ABSライク樹脂 | 縦118mm×横138mm×高さ50mm | なし |
| 3Dプリント | 約3営業日 | ¥35,000 | ||||
| 合計(目安) | ¥90,000〜 | 約17営業日 | ||||
社内試作を最短で軌道に乗せるなら『3Dayプリンター』がおすすめ

3Dayプリンターは、株式会社メルタが提供する3Dプリントの受託サービスです。「3Dが、3日で目の前に!」をキャッチフレーズに、スピーディーな対応と高い技術力を兼ね備えています。
3Dデータの設計からプリント、塗装や研磨といった後工程、さらには小ロットの試作まで、すべてワンストップで対応できます。
対応素材はABS樹脂や金属、シリコンなど18種類以上に及び、試作品から実用品まで幅広いニーズに応じた高精度な出力が可能です。
これまでにソニー、NTT西日本、早稲田大学など多数の企業や教育機関への納品実績があり、法人・研究機関から個人のクリエイターまで幅広いユーザーに利用されています。
課題や目的に合わせた導入支援や最適な活用方法のご提案も行っておりますので、3Dプリントをご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。

また、同社サービスでオリジナルトロフィーを発注できる『メルタ堂』というサービスも運営していますので、合わせてご確認ください。
3Dayプリンターの試作品・治具製作の事例
ここでは、当社3Dプリンターで製作した試作品・治具の事例を紹介します。
事例②機能性確認用 試作
事例③治具
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
事例①外観確認用 試作

当社3Dayプリンターでは、外観確認用モデルの試作品を製作しました。
2D図面では伝わりづらい立体的な製品デザインも、3Dプリンターを活用することで実物に近い形で具現化でき、設計コンセプトの共有やデザイン検証がスムーズになります。
お客様からは3Dデータでのご依頼以外にも、手書きのスケッチや製品現物からのモデリング依頼にも対応しております。形状や目的に応じて、最適な素材・造形方式をご提案いたします。
以下は、参考画像の試作品を製作した際の一例です。
製作費用・納期目安
| 作業工程 | 納期 | 価格 |
|---|---|---|
| CAD用3Dデータの修正 | 約8営業日 | ¥25,000 |
| 3Dプリント | 2営業日 | ¥35,000 |
| 後加工・オプション | 8営業日 | ¥75,000 |
| 合計 | 約18営業日 | ¥135,000 |
※価格および納期はあくまでも参考例であり、数量やサイズ、形状、素材によって変動する場合がございます。
製作条件(参考モデル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用素材 | ABSライク樹脂 |
| サイズ | 縦150mm×横80mm×奥行80mm |
| 3Dデータ制作 | CAD図面からの3Dモデリング |
| 後加工オプション | 塗装およびメッキ塗装、接着加工 |
事例②機能性確認用 試作

当社3Dayプリンターでは、機能性確認用の試作品を製作しました。
製品設計の段階では、可動部の干渉チェックや筐体同士の嵌合具合など、動作や取り付けに関する機能性を事前に確認することが重要です。
3Dプリンターを用いた試作によって、「基板が正しく収まるか」「配線スペースに無理がないか」といった懸念を事前に検証でき、設計精度の向上と開発効率化につながります。
3Dデータでのご入稿はもちろん、設計図や図面、または現物を元にしたデータ作成にも対応可能です。目的や使用環境に応じて、最適な造形方式と素材をご提案いたします。
製作費用・納期目安
| 作業工程 | 納期 | 価格 |
|---|---|---|
| 3Dデータ制作 | 6営業日 | ¥60,000〜 |
| 3Dプリント | 約3営業日 | ¥35,000 |
| 後加工・オプション | – | – |
| 合計 | 約17営業日 | ¥90,000 |
※上記はあくまで参考価格と納期の目安です。製品のサイズや形状、使用する材料、数量によって変動する可能性がございます。
製作条件(参考モデル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用素材 | ABSライク樹脂 |
| サイズ | 縦118mm×横138mm×高さ50mm |
| 3Dデータ制作 | CAD図面からの3Dモデリング |
| 後加工オプション | – |
事例③治具

当社3Dayプリンターでは、専用治具の製作を承っております。
一般的な市販品では対応できない用途にも、3Dプリンターによってオーダーメイドの治具を短納期で製作可能です。
また、製造現場での作業効率化や製品の安定固定など、使用目的に応じた形状にカスタマイズできます。
3Dデータのご支給はもちろん、図面や設計図、現物の現場パーツなどからのモデリング制作にも対応しております。
機能や強度、使用環境を踏まえて、最適な素材と造形方式をご提案いたします。
製作費用・納期目安
| 作業工程 | 納期 | 価格 |
|---|---|---|
| 3Dデータ制作 | 6営業日 | ¥60,000〜 |
| 3Dプリント | 約3営業日 | ¥35,000 |
| 後加工・オプション | – | – |
| 合計 | 約17営業日 | ¥90,000 |
※上記はあくまで一例です。形状の複雑さ、サイズ、素材の選定や数量により価格・納期は変動する可能性がございます。
製作条件(参考モデル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用素材 | ナイロン樹脂 |
| サイズ | 縦150mm×横80mm×奥行80mm |
| 3Dデータ制作 | CAD図面からの3Dモデリング |
| 後加工オプション | – |
まとめ
3Dプリンターは、試作の常識を塗り替える革新的なツールです。
設計データがあれば即座に造形でき、金型も不要なため、スピード・コストの両面で従来法に比べて優位性があります。
さらに、設計変更にも柔軟に対応できるため、製品精度のブラッシュアップにも最適です。
ABS樹脂や金属、ナイロンなど素材の選択肢も豊富で、使用目的に応じた出力が可能となっており、試作だけでなく、治具や補助部品の製作にも活用され、ものづくりの現場で幅広いニーズに応えています。
短納期かつ高品質な試作を実現したい企業にとって、3Dプリンターの導入は大きな価値をもたらす選択肢といえるでしょう。
3Dプリンターで試作を依頼するなら、スピードと技術力に定評のある当社『3Dayプリンター』の活用がおすすめです。



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