等身大のキャラクターや大型の看板、展示会のモニュメントなど、大きな立体物の素材としてよく使われているのが「FRP」です。
最近は、3Dプリンターで作った原型をもとにFRPで成形する方法が増え、細かい形のものでも大型で作れるようになりました。一方で「3DプリンターでFRPは作れるの?」「どこに依頼するのが良いのか分からない」と迷う方も多くいます。
本記事では、3DプリンターでFRP制作をする方法を中心に、FRPの特徴や使われる場面、制作の流れ、費用が変わるポイントを解説します。3DプリンターでFRP制作ができる会社も5社紹介しているので、依頼先を探している方は参考にしてください。
・3DプリンターでFRP制作をする2つの方法
・3DプリンターとFRPを組み合わせるメリットと注意点
・FRP制作の流れと費用が変わるポイント
・3DプリンターでFRP制作ができる会社5選
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FRPとは?
FRPは「Fiber Reinforced Plastics」の略で、日本語では「繊維強化プラスチック」と呼ばれます。樹脂にガラス繊維などの繊維を組み合わせ、強度を高めた素材です。
FRPの仕組みは次の図のとおりです。
鉄筋コンクリートの鉄筋のように、樹脂の中の繊維が骨組みの役割を果たして強度を高めています。
身近なところでは、浴槽やボート、公園の遊具などに使われています。大型の立体造形では最も一般的な素材の1つです。
FRPの特徴
FRPは、大型の造形物に向いている素材です。主な特徴は次の3つです。
特徴②形の自由度が高い
特徴③塗装やコーティングで屋外にも対応しやすい
FRPは繊維で補強されているため、同じ大きさの金属製品と比べて軽く、割れにくいのが大きな特徴です。等身大のフィギュアのような大きなものでも、運搬や設置がしやすくなります。
型に樹脂と繊維を塗り重ねて成形するため、曲面の多い複雑な形にも対応できます。表面は塗装で仕上げるので、色や質感の自由度も高い素材です。
塗装や防水コーティングと組み合わせれば、雨や日差しの影響を受けにくくなります。屋外に置く看板やモニュメントにも使いやすい素材です。
FRPの種類
FRPは、混ぜる繊維の種類によって呼び方や性質が変わります。主な種類は次の表のとおりです。
| 種類 | 使う繊維 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| GFRP | ガラス繊維 | コストを抑えやすく、最も広く使われている | 浴槽、ボート、看板、造形物 |
| CFRP | 炭素繊維 | GFRPより軽くて強いが、材料費が高い | 航空機、自動車部品、スポーツ用品 |
| AFRP | アラミド繊維 | 衝撃に強く、切れにくい | 防護用品、ケーブルの補強 |
大型の造形物で「FRP」と呼ばれるのは、主にガラス繊維を使ったGFRPです。
FRPが使われる主な場面
FRPが使われる場面の例を次の表にまとめました。
| 分野 | 主な例 |
|---|---|
| 身近な製品 | 浴槽、ボート、公園の遊具 |
| 広告・PR | 立体看板、企業ロゴのオブジェ、大型の商品模型 |
| キャラクター・エンタメ | 等身大フィギュア、キャラクターオブジェ |
| 展示会・店舗 | ディスプレイ、マネキン、モニュメント |
| 施設・テーマパーク | 擬岩・擬木、遊具、記念像 |
人目を引く大きな立体物を長く展示したい場面で選ばれることが多い素材です。
3DプリンターでFRP制作はできる?
3DプリンターでFRP制作をする方法は、大きく分けて2つあります。
方法②繊維を混ぜた材料で直接3Dプリントする
大型のオブジェやフィギュアでは方法①、機械部品や治具のような小さい部品では方法②が使われます。
方法①3Dプリンターで原型を作り、FRPで成形する
最も一般的なのが、3Dプリンターで作った原型をもとに型を取り、その型にFRPを積層して成形する方法です。
以前は、原型を粘土や発泡スチロールから手作業で削り出していました。3Dデータから原型を出力することで、細かい形や左右対称の形を正確に再現しやすくなります。
3Dプリンターで作った原型の表面をFRPで覆い、補強する方法もあります。大型の3Dプリンターで中が空洞のモデルを出力し、FRPや骨組みで補強して仕上げる流れです。
方法②繊維を混ぜた材料で直接3Dプリントする
もう1つが、カーボンファイバーやガラスファイバーを混ぜ込んだ材料を使い、3Dプリンターで直接造形する方法です。型を作らずに、繊維で補強された部品を出力できます。
軽さと強度が求められる機械部品や治具、固定具の製作に向いています。一方で、出力できる大きさは3Dプリンターの造形範囲に限られるため、等身大のような大型の造形には方法①が使われます。
2つの方法の違いは、次の表のとおりです。
| 項目 | 方法①原型+FRP成形 | 方法②繊維入り材料で直接造形 |
|---|---|---|
| 向いているもの | フィギュア、看板、モニュメントなどの大型造形物 | 機械部品、治具、固定具 |
| 大きさ | 1m以上の大型にも対応しやすい | 3Dプリンターの造形範囲まで |
| 型 | 必要(量産時は同じ型を使える) | 不要 |
| 仕上げ | 研磨・塗装で見た目を作り込む | 精度が必要な部分を加工する |
3DプリンターとFRPを組み合わせるメリット
3DプリンターとFRPを組み合わせると、手作業だけで原型を作る場合と比べて次のようなメリットがあります。
メリット②拡大・縮小や複製がしやすい
メリット③大型でも軽く仕上げられる
メリット①3Dデータで形を確認してから作れる
制作に入る前に、3Dデータの段階で形をパソコンの画面上で確認できます。完成後に「思っていた形と違う」となるリスクを減らせます。
縮小した試作品を3Dプリンターで出力し、実物で形やバランスを確かめてから本制作に進むこともできます。
メリット②拡大・縮小や複製がしやすい
1つの3Dデータから、サイズを変えた原型を作れます。卓上サイズのフィギュアを等身大に拡大するといった使い方も可能です。
データが残るため、同じ形をもう一度作りたいときや、色違いを作りたいときにも対応しやすくなります。
メリット③大型でも軽く仕上げられる
FRPは中を空洞にして成形できるため、大型の造形物でも重くなりにくい素材です。設置場所までの運搬や、イベントでの設営・撤去の負担を減らせます。
デメリット・注意点
3DプリンターとFRPの組み合わせには、注意しておきたい点もあります。
3Dプリンターには一度に出力できる大きさの上限があるため、大型の原型はパーツに分けて出力し、接着して組み上げます。継ぎ目の処理や表面の研磨には、手作業の工程が必要です。
型の製作や塗装の工程があるため、1個だけの制作では費用が高くなりやすい点にも注意が必要です。同じ型で複数個を作る場合は1個あたりの費用を抑えやすくなります。
3Dプリンターを使ったFRP制作の流れ
3Dプリンターで原型を作り、FRPで成形する場合の流れは次の図のとおりです。
最初の相談では、手描きのイラストや簡単な企画書があれば十分な会社もあります。3DのCADデータを持っている場合はデータ作成の工程を省けることもあります。
納期は、サイズや個数、塗装の内容によって変わります。イベントで使う場合は設営日から逆算して早めに相談しておくと安心です。
FRP制作の費用が変わるポイント
FRP制作の費用は、作るものによって大きく変わります。費用に影響する主なポイントは次の表のとおりです。
| ポイント | 費用への影響 |
|---|---|
| サイズ | 大きいほど材料と作業時間が増える |
| 形の複雑さ | 細かい形や分割パーツが多いほど、原型と仕上げの手間が増える |
| 個数 | 1個だけの場合は型の費用の比率が高くなる |
| 3Dデータの有無 | データを持ち込めば、データ作成の費用を抑えられる場合がある |
| 塗装 | 色の数やデザインによって作業費が変わる |
| オプション | 屋外仕様、補強、現地での組み立てなどで追加費用がかかる |
例えば3Dayプリンターの大型造形・FRP造形サービスでは、1個の制作で最低50万円からの対応です。正確な費用は条件によって変わるため、複数の会社に見積もりを依頼して比べることをおすすめします。
3DプリンターでFRP制作ができる会社5選
ここでは、3Dプリンターを使ったFRP制作に対応している会社を5社紹介します。
②大久保工芸
③エソラロイス(株式会社ロイスエンタテインメント)
④藤井製作所
⑤ローザ
得意な大きさや制作方法が会社ごとに異なるので、作りたいものに合わせて比べてみてください。
①3Dayプリンター(株式会社メルタ)

3Dayプリンターは、株式会社メルタが運営する3Dプリントの受託サービスです。大型造形・FRP造形サービスでは、FRP・3Dプリンター・発泡スチロール加工の中から、予算や条件に合った方法を提案しています。
等身大のキャラクターオブジェやリアルな動物・建造物の模型、販売用の量産フィギュアなどを、1個から量産まで依頼できます。「こんな大きなものはさすがに無理かな」と思うものでも、まずは相談してみるのがおすすめです。
製造方法ごとの特徴は次の表のとおりです。
| 製造方法 | 特徴 | 向いているもの |
|---|---|---|
| FRP | プラスチックにガラス繊維などを混ぜて強度を高めた素材。大型制作で最も一般的な方法 | 大型の造形物全般 |
| 3Dプリンター | 複雑な形や細かい表現を高い精度で再現できる。大きなものはパーツに分けて出力し、接着して仕上げる | 複雑な形状や精度の高い模型 |
| 発泡スチロール | 軽くてコストを抑えやすい。表面に特殊なコーティングをして硬さを出す。形や表面の表現には一定の制限がある | 短納期の案件や量産案件 |
どの方法が合うか分からなくても、作りたいものや必要な個数を伝えれば、専任のスタッフが製造方法や素材を提案してくれます。作りたいもののイメージは、手描きのイラストや簡単な企画書でも伝えられます。
3DのCADデータを持っていれば、データ制作費をかけずに製造だけを依頼できます。3DCGのデータのように製造に向かないデータでも、3Dayプリンター側で調整してもらえます。
本制作に入る前には、3Dデータの段階で形を確認できます。量産前には3Dプリンターで縮小した試作品を作り、形を確かめることも可能です。
屋外対応仕様や軽量化設計、高強度補強、塗装仕上げ、防水・防汚コーティングなど、設置場所に合わせたオプションも豊富です。現地での組み立てや移動用キャスターの取り付け、転倒・脱落防止の固定にも対応しています。
Web上に掲載できない案件の模型も、オンラインの打ち合わせで画面を共有しながら紹介してもらえます。制作事例や料金の目安は、大型造形・FRP造形サービスのページで確認してください。
②大久保工芸

大久保工芸は、神奈川県相模原市で30年にわたり造形物を手がけてきた会社です。店舗内装やイベントのモニュメント、ディスプレイなどを制作しています。
大型3Dプリンター「Massivit1800 pro」を導入しており、最大で高さ1,800mmのモデルを出力できます。出力したモデルをFRPや骨組みで補強し、手仕事の加工と組み合わせて仕上げます。
③エソラロイス(株式会社ロイスエンタテインメント)

エソラロイスは、1mから最大3mまでの大型立体造形物をオーダーメイドで制作するサービスです。運営は株式会社ロイスエンタテインメントで、制作は奈良県大和郡山市の大型立体造形専門会社「繪宙計畫(エソラケイカク)」が担当しています。
3Dデータを作成して確認してから、3Dプリンターまたは3D切削で原型を作り、FRPで造形して塗装します。等身大の人物フィギュアや大型キャラクター、製品を拡大したフィギュアなどの制作に対応しています。
④藤井製作所

藤井製作所は、千葉県柏市でプレス加工や樹脂成形を手がける会社です。3Dプリンターによる繊維強化プラスチック製品の製作にも対応しています。
樹脂を積層しながら長繊維を混ぜ込む3Dプリンターを使い、カーボンファイバー、ケブラー、ガラスファイバー、高耐熱高耐圧ガラスファイバーの4種類の繊維材料を扱えます。軽さと強度が求められる部品や治具、固定具を作りたい方に向いています。
⑤ローザ

株式会社ローザは、展示会やイベント向けの什器・マネキンのレンタルを全国で展開している会社です。FRP造形・特殊造形物の制作と、3Dプリンター出力製作の両方を事業として行っています。
ビッグダミーやブロンズ像風のオブジェ、ジオラマ、キャラクターやマスコット人形などの特注制作に対応しています。展示会やイベントの装飾とあわせて相談したい方に向いています。
FRP制作を依頼する会社の選び方
FRP制作の依頼先を選ぶときは、次の4つのポイントを確認しましょう。
選び方②3Dデータの作成から任せられるか
選び方③塗装や屋外仕様まで対応しているか
選び方④試作で形を確認できるか
選び方①作りたいサイズに対応しているか
会社によって、得意なサイズは異なります。1m以上の大型造形物を作りたい場合は大型の制作実績があるかを確認しましょう。
選び方②3Dデータの作成から任せられるか
3Dデータを持っていない場合はイラストや写真から3Dデータを作成できる会社を選ぶと、依頼先を分けずに済みます。3DCGのデータを持っている場合も製造に使える形に調整してもらえるかを確認しておくと安心です。
選び方③塗装や屋外仕様まで対応しているか
FRPの造形物は、塗装やコーティングで見た目と耐久性が大きく変わります。屋外に置く予定がある場合は屋外対応の仕様や転倒防止の固定まで相談できる会社が向いています。
選び方④試作で形を確認できるか
大型の造形物は、完成してから作り直すと大きな費用がかかります。3Dデータでの確認や縮小試作に対応している会社を選ぶと、イメージとのずれを防ぎやすくなります。
大型造形・FRP制作は『3Dayプリンター』がおすすめ

大型の造形物やFRP制作をどこに頼めばよいか迷っている方には、FRP・3Dプリンター・発泡スチロール加工から最適な方法を提案できる『3Dayプリンター』がおすすめです。
『3Dayプリンター』は、1000社・2000案件以上の実績を持つ3Dプリントサービスです。墨田区両国の工場を拠点に株式会社メルタが運営しており、「3Dが、3日で目の前に!」をキャッチフレーズにしています。
大型造形・FRP造形サービスでは、相談・ヒアリングから3Dデータの作成、試作での確認、本制作、納品までを一貫して任せられます。サービスの概要は次の表のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制作方法 | FRP、3Dプリンター、発泡スチロール加工 |
| 主な制作物 | 等身大のキャラクターオブジェ、動物・建造物の模型、販売用の量産フィギュア |
| 個数 | 1個から量産まで |
| 価格 | 1個の制作で最低50万円から |
| 形の確認 | 3Dデータでの確認、3Dプリンターによる縮小試作 |
| 主なオプション | 屋外対応仕様、軽量化設計、高強度補強、塗装仕上げ、防水・防汚コーティング、転倒・脱落防止固定など |
| 向いている人 | 大型の造形物を作りたいが、製造方法や素材から相談したい方 |
秘密保持契約(NDA)にも対応しているので、発表前の商品やキャラクターの造形も相談できます。
詳しくは、3Dayプリンターの大型造形・FRP造形サービスをご覧ください。
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株式会社メルタなら、FRP加工・3Dプリント・スチロール造形など幅広い手法に対応。
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3DプリンターとFRP制作でよくある質問
ここでは、3DプリンターとFRP制作についてよくある質問を紹介します。
Q. FRPはどうやって作られますか?
A.原型をもとに型を作り、その型に樹脂とガラス繊維などを重ねて固めて成形します。成形したあとは、表面を研磨して塗装で仕上げます。
Q. 3Dプリンターだけで大型の造形物は作れますか?
A.大型の3Dプリンターやパーツの分割出力を使えば作れます。ただし、強度や耐久性が求められる場合はFRPでの成形や補強を組み合わせるのが一般的です。
Q. 3Dデータを持っていなくても依頼できますか?
A.依頼できます。イラストや写真、現物をもとに3Dデータを作成する会社が多くあります。
Q. 1個だけでも依頼できますか?
A.1個から対応している会社があります。ただし、型の費用がかかるため、1個あたりの費用は量産より高くなりやすい点に注意してください。
Q. FRPとCFRPの違いは何ですか?
A.どちらも繊維強化プラスチックで、CFRPは補強にカーボンファイバー(炭素繊維)を使ったものです。一般的にFRPと呼ばれるものは、ガラス繊維を使ったGFRPを指すことが多く、CFRPはより軽さと強度が求められる部品に使われます。
【まとめ】3DプリンターとFRPを組み合わせれば大型でも精度の高い造形ができる
本記事では、3DプリンターでFRP制作をする方法や、FRPの特徴、制作の流れ、費用が変わるポイント、依頼できる会社5選を紹介しました。
3Dプリンターで原型を作ってFRPで成形すれば、細かい形の造形物でも大型で、軽く丈夫に仕上げられます。依頼先は、作りたいサイズ、3Dデータの作成、塗装や屋外仕様、試作の有無を確認して選びましょう。
大型の造形物を作りたい方は、3Dayプリンターの大型造形・FRP造形サービスにお気軽にご相談ください。

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